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  • yanxia2008

【常緑音楽館便り】#1107 外国で恥を掻きなさんな

2018.1.24(水)

 アベシがラトビアなどバルト3国を訪問した際、リトアニアで、ナチス・ドイツの迫害を受けてポーランドから逃れてきたユダヤ人難民に対し、外務省の方針に反して日本通過ビザを発給して約6000人の命を救った外交官・杉原千畝(ちうね)について、「日本人として誇りに思う」と語ったという。

 それはいいとして、杉原さんが動いたのは、爺様が満州国産業部次長兼総務庁次長として権力をふるいアヘン政策で暗躍していたちょうどその頃。

 しかも当時の外務省が帰国後の杉原さんを追放したことを知ってか知らずか、歯の浮いたようなことを言い、しかもろれつが回らず「千畝」の名前をムニュムニュとごまかしたというから、噴飯ものというより、恥ずかしい限りだ。

 ところで、杉原千畝と似たようなケースで、ホロコーストの危機に直面した1100人以上ものポーランド系ユダヤ人の絶滅収容所送りを阻止したドイツ人実業家Oskar Schindler(オスカー・シンドラー)や、ナチスドイツ軍に占領されたポーランドのユダヤ人たちを押し込めたワルシャワ・ゲットーから絶滅収容所行きの家畜用列車に乗せられるが警察署長の機転で救われ、反ナチス地下活動に加わったユダヤ人ピアニストのWładysław Szpilman(ウワディスワフ・シュピルマン)のことを思い出す。

 Evergreen Music通算1107曲目は、そのシュピルマンを題材とした映画「The Pianist(邦題:戦場のピアニスト)」(2002年)で使われたショパンの夜想曲を、辻井伸行で(映画で実際に弾いているのは、ポーランド人のJanusz Olejniczak / ヤーヌシュ・オレイニチャクというピアニストのようだ)。

 なお、「戦場のピアニスト」は、第55回カンヌ国際映画祭(2002)でパルムドール(最高賞)を、オスカー・シンドラーを題材とした映画「Schindler's List(邦題:シンドラーのリスト)」(1993年)は、第66回アカデミー賞作品賞を受賞している。

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