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  • yanxia2008

【編集部の見解】

2014.5.19(月)

 メディアでは、例によって「切り貼り」手法を駆使し、 「編集長としての責任を痛感」 「問題提起をしたいという思いもありました」 「表現のあり方について今一度見直して参ります」 の部分だけを報道。  全文見ないとアカンで。  報道人の悪いクセ。。。。。  まあ、その中で、神奈川新聞のこの社説はまともだと思いますがね。

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「美味しんぼ」問題 「不安封じ」で解決せず

2014.5.18 神奈川新聞社説

 漫画の表現が、首相、閣僚までをも巻き込む一大騒動を引き起こしてい る。異例ともいえる場面の数々に「わか国にタブーがひとつ増えたのだ」 との懸念は強まる一方だ。

 小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中の「美味(お い)しんぼ」が論議を呼んでいる。

 問題となったのは「福島の真実」というタイトルで、4月28日と5月12日発売号に掲載された。 主人公の新聞記者、山岡士郎は東京電力福島第1原発を取材した直後に鼻血を出す。実名で登場した福島県双葉町の井戸川克隆前町長は原因について「被ばくしたから」と述べる。また、やはり実名の荒木田岳福島大准教授は「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私 は思います」と語る。

 安倍晋三首相は17日、視察先の福島市で「根拠のない風評に対しては国として対応する必要がある」と述べた。先立って菅義偉官房長官や根本匠復興相、太田昭宏国土交通相、下村博文文部科学相、森雅子消費者相も批判の声を上げていた。

 鼻血と被ばくの因果関係は、分からないというのが現状であろう。関係があるという専門家もいれば、ないという専門家もいる。事故から3年余しか経過していない。今後の被ばくの影響への懸念も高まる中で到底、「風評被害」と断じてしまうことができる段階ではない。

 実際、森消費者相は閣僚就任前の2012年6月、国会で「子どもの鼻血と被ばくの関係を不安視する声がある」と発言している。同様の不安が存 在するのは事実なのだ。 そうした不安を漫画で表現することに問題があるのだろうか。

 政治家による相次ぐ批判は過熱気味で「表現の自由の侵害」となりかねない。何より、放射能の問題に真摯に向き合う姿勢があるのかという、事故後に多くの国民か感じた不信を再び喚起するだろう。

 福島県は「風評被害を助長する」と小学館に抗議したが、同県内の複数の市民団体が抗議撤回を求めた。県への抗議文では「(作品は)『福島の現実Jと向き合おうとしている多くの人たちにとって注目し共感せずにおれない重要な見解」とし、「県の非難は、人々の声を上げる自由をも抑圧す る」と訴えた。

 政治、行政がすべきは不安の声を封じるのではなく、誠実に不安と向き合い、放射能の問題に対峙することだ。

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ビッグコミックスピリッツ編集部の見解及び識者や行政などの意見はこちらのPDF(JPG画像に変換)を参照。

『美味しんぼ』福島の真実編に寄せられたご批判とご意見、編集部の見解

『美味しんぼ』福島の真実編(全24話)の内容について、皆様から多くのご批判、ご意見を頂戴いたしました。  原作者・雁屋哲氏が作品で提起された福島第一原子力発電所事故による放射能汚染の現状や、低線量被曝による健康への影響などについての問題は、私たちひとりひとりが将来にわたって真剣に考えていかなければならない重要なテーマであると考えます。  作品が取り上げたテーマについての様々なお考えを、特集記事としてご紹介することで、これまでにいただいたご抗議やご批判へのお答えに代えさせていただくとともに、今後の誌面作りに活かして参りたいと存じます。

(ビッグコミックスピリッツ編集部)

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