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  • yanxia2008

【福島市内の主婦の会話(その5)】

2013.9.18(水)

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浅野 弘一

2013年9月17日 ·

福島の主婦の会話(その5)

A主婦「今日は一日台風一過、すがすがしい青空だったナイ(ね)」 B主婦「ホント、ホント。 おかげで主婦業忙しかったワイ、洗濯しだり、傘干したり、窓を開けて空気を入れかえたり、掃除したりと!」 A「ずーっと閉めきってたがら、家ん中は湿っぽかったからナイ。 関西は被害酷かったようだナイ。 ほれ、テレビでやってだゲンチョ(けど)、京都の桂川の渡月橋、もう少しで流されそうだったナイ」 B「修学旅行の時、記念撮影したととこだナイ。オラーそれ以来、京都なんか行ったことネーゾイ(ないわ)」 A「それは気の毒だごと。だってあんだ(貴女)は、乗り物酔いが、酷いんべ?」 B「そうなんだ。だからテレビでも見て、我慢してんだ」

A「オレ、原発事故以来考えるんだけど、マスコミの報道って疑問に思うごと、いっぱい無ーガイ?」 B「どんなゴト?」 A「阪神震災の時もそうだったゲンチョ、被災者のことを真剣に考えれば、高見の見物的というか視聴率の上がるような自社利益優先のご都合報道は、ジャーナリストとして出来なーはずなのに、 相変わらず被災者などは二の次の報道を繰り返しているように思えんだけどナイ」

B「言われれば、そうだナイ。思いだしたゾイ(よ)。阪神震災の時、有名な女性キャスターが、毛皮のコートを着て、寒そうにしている被災者達にマイクを向け “寒いですか?” って。あれは批判を受けたナイ」 A「そうだべ。マスメディアってエリート意識が強くって、何でも許されると思ってんじゃネーべが?」 B「そうだナイ。こないだも某TV局のキャスターが、ヨット遭難騒ぎをしだごともあったしナイ。以前その本人,事故を起こした人を自己責任と言って痛烈に非難してた癖にナイ!」

A「だがら私はこう思うんだ。 被災者優先の事態の時は、マスコミは一機のヘリに各社の記者が乗って同時に取材するとか、じゃなければ、そういう時は共同の記事で伝えるとか、救助や防災のヘリに邪魔にならないようにするとかナイ」 B「そうだナイ。各社で取材したところで結局は同じ内容だし、無駄だもんナイ」

A「内の馬鹿亭主、県庁にいだ時、知事の命令で若い人連れて阪神震災の現場に行ったことあんだ。そん時、テレビで見れない五感のことを感じてきたと言ってゾイ」 B「そうガイ(ですか)、初めて聞いたナイ。どんなことダイ、それって?」 A「臭いと音だと。震災丸2日後に、西宮北口がら三ノ宮まで、二日続けて往復歩いたらしいんだ。 まー、歩くのが趣味見てーな人だから苦にはしねぇんだベけど。 駅を降りて直ぐ、トイレの臭いともつかぬ、焼け焦げたような臭いともつかぬ異様な臭い。 それと救急車、緊急車、パトカーの音に加え、上空の沢山のヘリの轟音だと」 B「じゃ、ヘリはマスコミのガイ?」 A「そればっかしじゃねーと思うゲンチョ(けど)、そんなとこだべナー」

B「原発事故の時は、そんなことながったナイ。冷却水を撒くのに自衛隊のヘリが飛んだくらいだもんナイ」 A「まー、飛行許可がおりなかったっていう言い訳は直ぐ聞こえてくっけどナイ」 B「ソ-ダナイ!。 大手新聞社の社内規定では、危険区域内80km以内には記者は取材に入らないとか、あんだってナイ」 A「自分は取材しないで、地元記者やフリージャーナリストの記事を買い上げて記事にしてたようだからナイ」 B「そうなのガイ!」 A「そなんだよ。 親戚に南相馬市役所に勤めているのがいんだけど、避難者の段取りや救援物資の手配に死に物狂いで奔走してる最中に、NHKから現地の様子を知りたくて何度も電話掛かってくんだと。 最後にうるさいモンだから、自分の目で現地に来て取材しろって、怒鳴り声をあげたってヨ」 B「その気持ち分かんナイ。あん時は物資も新聞も何もかも危険区域だからと言って近づかなったからない!」

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