2018.7.8(日)
押さえておこう。
政府が今日8日になって、非常災害対策本部を設置した。熊本地震以来だ。
これは、災害対策基本法24条に基づき内閣府に臨時に設置する機関。本部長は国務大臣だ(ここがミソ)。
対策本部には、もう一つある。
同法28条の2により内閣総理大臣が内閣府に臨時に設置する機関、「緊急災害対策本部」。
こちらは、本部長は内閣総理大臣、副本部長は国務大臣。
今回の西日本豪雨災害は、極めて広域にわたり大雨特別警報が出され、百万人単位の避難指示・勧告、百人を超える死者・行方不明者を数える大災害だ。緊急災害対策本部を設置してもちっともおかしくない。
ところが「緊急災害対策本部」でなく、1日以上も経過してようやっと「非常災害対策本部」を設置するというお粗末さ。
災害が起こりつつあるさなか、しかも大量死刑執行前夜に総理、法相、復興相を交えて酒宴を催すというその神経。
「緊急」だと総理が本部長となり、そうすると日本を離れることができず、楽しみにしていた訪欧ができなくなることを恐れて「非常」にしたのではと疑われても全く仕方がない振る舞いだ。
「非常」なら、大臣に任せられるとの思いが二日酔いの頭をかすめたのだろう。
フランスのことより国民のほうが大事ではないか。
****************************************
安倍首相「時間との戦い」 非常災害対策本部を設置
2018年7月8日 朝日新聞デジタル
西日本を中心にした大雨による被害拡大を受け、政府は8日午前に非常災害対策本部を設置し、第1回会議を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は「救命救助、避難は時間との戦い。引き続き全力で救命救助、避難誘導にあたってもらいたい」と述べ、不足物資の供給やライフラインの早期復旧、対応要員の確保などを指示した。
菅義偉官房長官は会議後に臨時の記者会見を開き、これまでに死者が48人、心肺停止28人、行方不明7人、安否不明約90人にのぼると説明。警察、消防、自衛隊など7日午前よりも6千人増員して5万4千人態勢で救助活動に取り組んでいると明らかにした。
菅氏は「人命救助第一の方針のもとに被災者の救命救助に全力で当たっていくことが重要」と強調。また、「被災地の早期復旧復興のためには、被災自治体が財政面で不安を持つことなく早急に事業を実施することが重要だ」と述べ、激甚災害指定を検討する考えを示した。
小此木八郎防災担当相は記者団に対し、被災状況を把握するため、自身を団長とする政府調査団が早急に現地に入る方向で調整していると説明した。
朝日新聞のまとめでは、8日午後1時時点で死者は9府県62人にのぼる。