• yanxia2008

【ガーディアンも批判】

2013.12.7(土)

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Ayaka Löschke

2013年12月7日 ·

イギリスの大手新聞・ガーディアン紙も12月5日、日本の特定秘密保護法を厳しく批判する、詳細な記事を掲載!以下はその全訳です。写真は、記事に掲載されていたEPA通信によるものを転載。

英語の原文はこちら: http://www.theguardian.com/…/whistleblowers-japan-cra…/print

ドイツ語圏のメディアのみならず、既に、欧州メディアが日本の「特定秘密保護法案」を厳しく批判する姿勢で一致しつつあるようです。

特に、記事が最後に引用している「国境なき記者団」の特定秘密保護法案に反対する声明が私たちに重く響きます:

「もしも、自分たちにとって厄介な情報を国家機密として自在に分類できる権限を与えてしまうような法律が制定された場合、政府は、福島の原発事故の影響によって憤慨した世論から高まりつつある、透明性の要求に対してどのように応えるというのか?」

法案への賛成者たちは、領土問題が目暗ましになり、福島の事故直後にあれほど味わった政府による情報統制への怒りを忘れてしまったのか…と私も再度、記事を読んでから、そう問いました。

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《日本の内部告発者は、特定秘密法のもとでは、厳重な取り締まりに直面することに(Japan whistleblowers face crackdown under proposed state secrets law)》

特定の国家機密を漏らした公務員や、それらを得ようと探し求めるジャーナリストは、今週、法案が承認されれば、収監の危機に瀕しかねない。(Justin McCurryによる東京からの報告)

日本の内部告発者とジャーナリストは間もなく、国家機密を漏洩したり、報道したりするなら、長期間収監される危険に晒されるだろう。おそらく、その国家機密には、福島第一原発の大惨事や日中関係の悪化が含まれるだろう。

金曜日に通過すると予測されている特定秘密保護法のもとでは、「特定の秘密」を漏らす人々、つまり、公のレベルでは役人が、プライヴェートなレベルでは市民が、10年間収監される危機に瀕する。また、その一方、「特定秘密」に分類される情報を得ようと探し求めるジャーナリストの収監も最大5年間にも及ぶ。

法案への批判者たちは、この法案が戦前・戦中の日本の軍国主義の時期、つまり、国が治安維持法を用いて政敵を逮捕・収監した時期への復帰を特徴づけていると言っている。

「法案は民主主義に対する驚異だ」と、東京新聞の論説委員である桐山圭一は語り、この立法は、ジャーナリストに「情報を与えることに慎重になるであろう、公務員たちを凍りつかせる効果を持つ」とも付け加えた。

エドワード・スノーデンの内部告発の直後、かの地域(注:中国、韓国)での緊張が高まりつつあった時期、日本は、アメリカと共有される情報を含めた国家機密をこれまでよりもよく保護するようにという、ワシントンからの圧力に晒された。

 日本の首相・安倍晋三は、今週承認された、アメリカに倣って設立される国家安全保障会議がよりよく機能するためにも、この法案が重要であると言っている。 

 この法案は、エスカレートしつつある中国への反応、そして、北朝鮮の核兵器の計画を懸念において日本の安全保障を強化(bolster)する、彼の保守的な計画の一部と見られている。

 この先3年間は選挙で戦う必要のない安倍は、防衛のみを担う自衛隊の役割を終わらせる憲法改正を含む、彼のナショナリストとしての行動計画(nationalist agenda)を推し進めると予測されている。

 特定秘密保護法案の速すぎる衆院通過は、騒々しいデモや、表現の自由の侵害を懸念するジャーナリスト、弁護士、政治家、学者、科学者、映画監督、漫画家からの抵抗を伴った。

 抵抗する人々は、「収監される期間の見込みが、機密に属する、あるいは当局にとって厄介な情報を内部告発者が公益のために漏らすことを思いとどまらせ、ジャーナリストたちにも、そういった情報を得ようと試みることを思いとどまらせるだろう」と言っている。

 参議院は、国会期末前の金曜日、ひょっとすると木曜日の深夜にこの法案を可決すると予測されている。

 法案への主な非難は、何が国家機密であるか、定義が曖昧であること、また、潜在的に、膨大なテーマに関する情報、つまり、かの地での中国の強まりつつある軍事的な影響を弱めるための手段、そして、日本の原子炉の安全性を含む情報の公開を妨げる全権を公務員に与えていることである。

 「法案には、政府が公の目による監視から遠ざけたいと願うあらゆる情報を隠すために使われかねない、いくつかの特徴がある」と、野党の国会議員である福島瑞穂は語った。

 福島瑞穂が言うには、「現在の法案の形態においては、首相は、何が機密事項であるか、彼自身が決定できる」。

 この法律は、防衛、外交、テロ対策、そして、スパイ活動防止という、四つの領域に適用され、公務員に、機密情報を公の領域に無期限に(注:アメリカなどでは一定の期間の後に公開されることがあるので)に漏らさないようにする圧力を加えるという。

 執行部の政治家は、この法案が自由な言論の抑圧、あるいは国民の知る権利を削減するために使用されることはないと言って譲らない。

 しかし、法務大臣・谷垣禎一は、この法律に違反したという容疑をかけられる新聞への警察の介入を除外することを拒んだのだ。

 この法案担当の森まさこ大臣も、この法律が、潜在的にテロリストの標的になるゆえ、日本の原子力産業に適用されると言っている。しかし、彼女は、この立法が福島第一原発の汚染水漏れに関する情報公開に影響することを否定した。

 先週、自民党の幹事長・石破茂は、彼が、この法案に対してデモを行っている人々をテロリストになぞられた(liken)とき、多くの人々を立腹させた。彼は後でこの発言に対して謝罪した。

 「法案には、既成の政治的な力によって国民をより好都合にコントロールしようという要求がある」と明治大学の法学部教授のLawrence Repetaは語った。「この法案は、秘密裏に行動するため、国が広範に権威を持つべきだという観念と一致する。法案が日本のジャーナリストを凍りつかせる効果を持つだろうということは非常明白なようだ」という。

 法案に対する広範囲による抵抗は、安倍の人気の試金石だ。朝日新聞による最近の世論調査によると、彼が職に就いた昨年の12月以来、安倍への支持は50%以下に落ちている。調査対象の60%以上が、法案があまりに急いで可決されることに対する懸念を表明した。

 その反応として、安倍は今週、「公益のために情報を公開することを妨げるために、公務員が法律を乱用し兼ねない」という批判者たちの主張をさっさと退けてしまおうと試みた。「誤解がある」と安倍は語った。「ジャーナリストの普通の報道活動は罰則の対象にされてはならないのは明白」だという。

 安倍は、政府が国家機密の定義をより明確に設定し、起こり得る違反行為や法の乱用を監視する第三者機関の設置を約束するだろうと語った。批判者たちは、提案された組織、つまり、外務省や防衛省、国家警察機構(the national police agency)出身の政府高官によって構成される組織が独立状態にあるとは言い難いと指摘している。

 「我々が必要としているのは第三者機関であり、偽の第三者チェック機関ではない」と、最大の野党である民主党の党首を務める海江田万里は言う。「この法案は、官僚によって、官僚が情報を隠すために生み出されたと、私は今、確信をもって言える」と彼は語った。

 スノーデンのような内部告発者と、彼らから情報を得て報道するジャーナリストに課せられる厳罰の予測は、日本の外部でも懸念を増大させた。国境なき記者団(Reporters Without Borders)は、日本が「調査報道(investigative journalism)*を違法としつつあること」を非難した。

 *注:investigative journalism(調査報道)とは、Wikipediaによると、「あるテーマ、事件に対し、警察・検察や行政官庁、企業側からの情報によるリーク、広報、プレスリリースなどからだけの情報に頼らず(これを中心情報とする報道は「発表報道」)、取材する側が主体性と継続性を持って様々なソースから情報を積み上げていくことによって新事実を突き止めていこうとするタイプの報道」。

 国境なき記者の声明においては、以下のように言われている:「政府は、もしも、取り扱いに慎重を要する情報を国家機密として自在に分類できる権限を与えてしまうような法律が制定された場合、福島の原発事故の影響によって憤慨した世論から高まりつつある、透明性の要求に対してどのように応えるというのか?」

 国連人権高等弁務官・Navi Pollayは、世論における議論がほとんどないまま、採決を強行した日本政府を非難した。「議員たちは、日本の憲法や国際的人権法において保障されている、情報へのアクセスと表現の自由が守られるための予防措置が提出されることなしに、急いで法律を通してはいけない」と彼女は語った。

 法律は、自由な報道を擁護する者としての日本の評判の低下にも反映している。国境なき記者団による、2013年の報道の自由指数において、日本は2012年の31位から、179カ国のうち、53番目である。

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