2012.10.11(木)
震災復興予算に関し被災地と直接関係のない予算措置が次々と明らかになり、被災者らには怒りと諦めなど怨嗟の声が高まっている。しかも使途調査を審議する衆院の小委員会では過半数を占める民主党委員が全員欠席だという。 とても「事業仕分け」を行った政権の所業とは思えぬ末期症状の状態だ。 また、こんなどさくさ紛れの「火事場泥棒予算」を大甘、大盤振る舞いで許してしまった財務省主計官は後世に汚名を残すべき「偽計官」として糾弾されるべきだ。 いまからでも遅くない。財務省は査定のやり直し、議案の撤回、臨時国会への削減補正予算案の提出等を行うか、又は少なくとも各省庁に対し、事業の執行停止若しくは執行留保を強力に指示すべきだ。 来年度から改めるなどという言葉はきわめて不遜でしかない。
.****************************************
復興予算:誰のためか…被災者ら、怒りと諦め 衆院小委
2012.10.11 毎日新聞
誰のための「復興」なのか--。11日に流会となった東日本大震災の復興予算を巡る衆院の小委員会。被災地と直接関係のない予算措置が次々と明らかになる中、過半数を占める民主党委員が欠席したことで、被災者からは「選挙前の政党間の争い」「各省庁の予算の奪い合い」といった怒りや諦めの声が飛び交った。 岩手県大槌町の無職、佐々木テルさん(83)は「震災から1年半が過ぎても私たち被災者はどこに家を建てられるかさえ分からない。被災地から遠く離れたところにお金を使うのは、本末転倒ではないか」と憤る。同町の無職女性(61)も「各省庁が拡大解釈して、予算の争奪合戦をしたのだろう。純粋に被災地のために使ってほしいと願わずにはいられない。多くの一般市民はみんな驚き、絶句している」と嘆いた。 自宅を津波で失った仙台市青葉区の無職、山下隆平さん(64)は「国会議員なら、国会で議論することが仕事のはず。偉い人たちが何を考えているか分からない。がっかりするのにも慣れてきた」とつぶやいた。 東京電力福島第1原発の事故で避難生活を送る福島県の被災者も怒りをあらわにした。大熊町から南相馬市に避難中の元タクシー運転手、佐々木久さん(52)は「ここらはまだ田んぼの中に車が落ち、ガードレールもさびたまま。民主党が私利私欲のために動いていることがよく分かった」とあきれた様子。