• yanxia2008

【国会事故調の論点整理】

2012.6.10(日)

 国会事故調。録画を見ていて、真摯に取り組んできたと思う。  ただ、今日の論点整理には若干の疑問がある。

①官邸の頻繁介入が指揮命令系統を混乱させたというのは全くその通りなのだが、東電(現場でなく本社サイド)に対する論述又は批判が全く見られないこと ②SPEEDIは初動の避難指示には活用できないとしたことは、浪江町津島に避難した人に対して余りに酷な判断ではないか。政府事故調(畑村委員会)が「単位量放出予測の情報が提供されていれば、各地方自治体及び住民は、道路事情に精通した地元ならではの判断で、より適切な避難経路や避難方向を選ぶことができたであろう。」としたのとは異なり、判断に苦しむところ。

 いずれにしろ、現段階では中間時の論点整理なので安易な批判は避け、本報告を待ちたい。

(参考)

 なお、このポストに対し、県のS氏から次のようなコメントがあった。

 SPEEDIで実際に配信された予測図は5月の3日あたりに公表されました。今では見られませんのでweb archiveのリンクを示します。このデータを受け取っても何の役にも立たないと私は思います。4月23日ごろにメディアに流されたデータは放射性物質が拡散した後の実測データを見て、後付で作成したものです。元々SPEEDIのセンサーは煙突にあるだけなので爆発事故では放射性物質放出量を測定できません。今回の事故ではそのセンサーすら働いてないので、予測図と言っても風予報でしかないと思います。風予報も「今出ました」と誰かが言ってくれなければ、使えないと思います。

http://web.archive.org/.../www.../mext_speedi/index_1.html(文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)))

◉ これに対し、毒舌亭からのコメント(反論)

 貴重なデータをありがとうございました。  おっしゃること、なるほどと思います。  ただ、しからば、1万人を超える浪江町津島への避難者の下に大量の放射性物質が降り注いだという過酷な現実を前に、結局、SPEEDIは120億もの大金をかけてクソの役にも立たなかった、住民の安心を買うための『見せ玉』にすぎなかった、という呆れた現実だけ残るのでは釈然としません。  役に立たないものだったというなら、そう抗弁、主張すべきだし、職員の処分もむしろすべきではなかった、又は、その内容でなく、「消去してしまった行為」自体についての責任から処分するのであれば、職員個々人ではなく責任者たる知事自身に対して行うべきだったのではないのか。  いずれにしても、逃げ惑う避難者に対して何らの情報提供、手立てを示すことができなかったのか、また、風向きについて気象庁が情報提供を怠ったのではないかなどの根本的な疑問が残り、さらに政府事故調と国会事故調の判断が分かれたこともあって、何が真実なのか理解に苦しむというのが率直な感想です。

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国会事故調“官邸の過剰介入が支障に” NHK 6月9日 21時22分  国会の原発事故調査委員会は9日に行った論点整理で、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、「総理大臣官邸が過剰な介入をしたのではないかと考えている」と指摘し、当時の政権幹部が必要以上に関与したことで事故対応に支障を来した可能性があるという見解を示しました。  国会の原発事故調査委員会は、今月にも提出する報告書の取りまとめに向けて、9日、公開で委員会を開き、これまでの調査を踏まえた論点整理を行いました。  この中で、報告書の取りまとめに当たっている野村修也主査は、「総理大臣官邸と発電所が直接やり取りするという、本来、法律が予定していないと思われる情報伝達が行われ、発電所に対して情報入手のために頻繁に電話が入るという事態が起こったことに対し、問題意識を持っている」と指摘しました。 そのうえで、「場違いで初歩的な質問もなされるなどしたため、発電所で現場対応に当たる者が余分な労力を割かれる結果になったと考えている。今回の事故の対応においては、官邸が過剰な介入をしたのではないかと考えている」と述べ、当時の政権幹部が必要以上に関与したことで事故対応に支障を来した可能性があるという見解を示しました。  また、菅前総理大臣ら当時の政権幹部が、東京電力側から作業員全員の撤退を打診されたという認識を示していることについて、「今回の事故で、東京電力が全員撤退を決定した形跡は見受けられないという結論だ。菅前総理大臣が東京電力の全員撤退を阻止した、という事実関係を理解することはできないというのが委員会の認識だ」と述べ、菅前総理大臣らの認識を否定しました。  さらに、事故発生後の政府の情報発信について、「緊急事態にあたって、事故現場で事態の確認ができないとして、確実な情報のみを発信するという平時の対応をし続けたことが、被災住民の避難にも甚大な混乱を引き起こしたのではないか」と指摘しました。  そして、今後の課題について、「官邸を含めた危機管理体制の抜本的な再構築が必要ではないか。 特に初動の重要性から、事故発生時に直ちに対応できる危機管理体制作りが求められているのではないか」と述べました。  委員会では、こうした内容を盛り込んだ報告書を今月中にもまとめ、衆・参両院の議長に提出することにしています。

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国会事故調の論点整理

​菅直人 2012年06月10日

 6月9日に発表された国会事故調の論点整理において、官邸の「過剰介入」という指摘がなされ、注目が集まっている。

 たしかに、本来、原災法が想定していた仕組みでは、原子力発電所の敷地外(オフサイト)に関しては「オフサイトセンター」を中心に対応し、敷地内(オンサイト)での原子炉に対する事故対応は事業者である東電が中心に対応する仕組みになっていた。

 その意味では、事故発生から3月15日に政府・東電統合対策本部が東電本店内に設けられるまで、官邸が中心になって事故収拾に直接関与したのは異例と言えるだろう。

 しかし、異例ではあるが、今回のような、東電も保安院も想定していなかったシビアアクシデント(過酷事故)が起きた状況においては、官邸として、そうせざるを得なかったのが現実であった。

 その事が、国会事故調に理解されていないとしたら残念である。

 事故発生直後から、東電からは官邸や本部長である総理に、電源車の搬送への協力要請や、住民避難を必要とするベントの了解を求めてきた。

 さらに、今回のシビアアクシデントでは原子炉や使用済み燃料プールへの注水においても東電単独では実行できず、自衛隊、消防、警察など各方面に官邸から出動を要請するなど、オンサイトに関することも含めて事故対応に当たらざるを得なかった。

 本来、事故対応の中心となるべき原子力安全・保安院が、事故発生当初、組織として機能しない中で、もし官邸が動かなかったならば、結果はどうなったか。

 私は、他の政府機関が十分に動かない以上、官邸として、また原災本部長として、直接対応せざるを得なかったと、今でも考えている。

 「撤退問題」では、発電所長をはじめ現場の皆さんは最後まで頑張る覚悟であったことは、その通りだと私も思っている。

 しかし、清水社長が経産大臣と官房長官に電話をし、両大臣が「会社としての撤退の意思表示」と受け止めたという事実は大きい。

 これを官邸の誤解と一蹴するのは、やはり一方的な解釈と言わざるを得ない。

 こうした解釈の背景には、国会事故調が入手したいかなる情報があるのだろうか。

 例えば、国会事故調の担当委員は東電本店と福島第一サイトのテレビ会議の記録を見て調査したと述べている。

 そうであるなら、原発事故発生から今日までの記録を、私が東電本店で社長や会長など約200人の東電幹部を前に話した場面も含めて、国会事故調の責任において全て公開していただきたい。

 そのことによって、真実と真相が、より公正かつ正確の明らかになるのではないだろうか。

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