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#084 森友文書の改ざん等に関する調査報告書

​              (2018.6.4)

財務省が記者会見 麻生財務相、改ざん動機「分かりゃ苦労しない」 森友文書改ざん問題(動画リンク先:朝日新聞)

​① 記  事

 改ざん 佐川氏停職3か月 麻生大臣は閣僚給与1年分を自主返納

  2018年6月4日 NHK NEWS WEB

 

 森友学園をめぐる決裁文書の改ざん問題で、財務省は、佐川前理財局長が改ざんを事実上指示していたと認定し、停職3か月の懲戒処分相当、とすることなどを発表しました。また、麻生副総理兼財務大臣は、責任を明確にするため閣僚給与1年分を自主的に返納することを明らかにしました。 

 麻生副総理兼財務大臣は4日午後、記者会見を開き、改ざん問題をめぐる内部調査と処分を発表しました。 

 それによりますと、佐川前理財局長は去年2月下旬、部下から決裁文書の内容の報告を受けた際に、「このままでは外に出せない」と話し、部下は文書を直す必要があると認識したということです。 

 また佐川前局長は部下の課長らに対して、「担当者に任せるのではなく、しっかりと見るように」と指示し、部下は文書を直した上で佐川氏の了解を得ることが必要になるという認識に至ったとしています。 

 こうしたことから報告書では、「佐川前局長が改ざんの方向性を決定付け、問題行為の全般について責任がある」として、改ざんを事実上、指示していたと認定し、佐川前局長を今回の処分の中で最も重い、停職3か月の懲戒処分相当とし、退職金を減額するとしています。 

 また、佐川氏の部下だった理財局の総務課長も、改ざんに関わっていたとして、「停職1か月」の懲戒処分としました。さらに直接、改ざんに関わっていないものの、当時の事務次官や官房長と、近畿財務局長のほか、いまの理財局長の監督責任なども問い、処分の対象としています。 

 記者会見した麻生副総理は、責任を明確にするため閣僚給与1年分を自主的に返納することを明らかにしました。 

 財務省では、改ざん以外にも国会に提出するよう求められていた学園側との交渉記録を、意図的に廃棄していた問題も明らかになっています。 

 これについて報告書では、去年2月17日に安倍総理大臣が「私や妻が関係していたら、総理大臣も国会議員も辞める」と国会で答弁したあと、理財局の総務課長が担当部署などに対し、安倍総理大臣夫人の昭恵氏の名前が入った文書があるかどうか確認を進めたとしています。 

 その後、総務課長が佐川氏に、政治家の問い合わせ記録などを報告したところ、佐川氏は、交渉記録の保存は1年未満という文書管理のルールに従って行われるものだという考えを示したことで、総務課長は記録を廃棄するよう指示されたと受け止めたとしています。

 財務省の記者会見は4日午後3時半から始まり、麻生副総理が冒頭に発言したあと矢野官房長らが対応に当たりました。
 記者会見は午後8時過ぎまで4時間半以上にわたって続き、この中で矢野官房長は「胸を張れる調査結果だという自信はないが、全部出すというつもりでやったのは確かだ。納得してもらえるかどうかは国民の受け止め次第だ」と述べました。

 佐川氏 退職金から513万円減額

 財務省は今回の改ざん問題で合わせて20人を処分します。
 佐川宣寿前理財局長は「問題行為の全般について責任を免れるものではない」などとして、今回の処分の中で最も重い停職3か月の懲戒処分相当としました。
 佐川氏はすでに退職しているため、処分に応じ513万円を退職金から差し引きます。
 佐川氏はことし3月、国税庁長官を辞任した際、すでに減給20%、3か月の懲戒処分が決まっていますが処分をより重くしました。
 中村稔理財局総務課長は「中核的な役割を担っていた」として停職1か月の懲戒処分としました。
財務省は中村稔総務課長を4日付けで大臣官房付に異動させる人事を発表しました。
 当時の理財局の冨安泰一郎国有財産企画課長は減給20%3か月、当時の田村嘉啓国有財産審理室長は減給20%2か月としました。
 また改ざんには関わっていないものの、監督責任を問い、当時事務次官だった佐藤慎一氏を減給10%1か月相当の懲戒処分としました。
 戒告の懲戒処分となったのは美並義人近畿財務局長ら5人です。
 当時の大臣官房長の岡本薫明主計局長や理財局の太田充局長ら3人が文書による厳重注意となりました。
 このほか5人が口頭厳重注意を受け、2人が職務上の注意という処分を受けました。

 

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② 麻生財務大臣談話

 

 財務省では、森友学園案件に係る決裁文書の改ざんに関する調査を行ってまいりましたが、本日、調査結果をとりまとめました。森友学園等との応接録の廃棄等についても、決裁文書の改ざんと密接に関連していたことから、これも含めてとりまとめております。

 決裁を経た行政文書を改ざんし、それを国会等に提出するようなことは、あってはならないことであり、誠に遺憾であります。また、応接録についても、国会等との関係で極めて不適切な取扱いがなされていたものと認められます。深くお詫びを申し上げます。

 今回の調査結果を踏まえ、一連の問題行為に関する責任の所在を明確にするため、関与した職員に対して厳正な処分を実施いたしました。私自身も、この問題が、財務省、ひいては行政全体の信頼を損なったことを踏まえ、閣僚給与の12ヶ月分を自主返納いたします。

 財務省として、今回の事態を真摯に反省し、二度とこうしたことが起こらないよう、文書管理や決裁手続き等に関する再発防止策を直ちに進めてまいります。

 また、今後、特に若手職員の士気に配意しながら、着実に、そして将来をしっかりと見据えて、財務省全体の意識改革を進めてまいります。それとともに、財務省が担う行政分野の様々な課題について、引き続き責任をもって取り組んでまいります。

 私のリーダーシップの下、職員一同が一致団結し、こうした取組を全力で進め、信頼回復に努めてまいります。

​③ 調査報告書

森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書(財務省:平成30年6月4日)(PDF)

 

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