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  • yanxia2008

【理想の仕事】

2013.12.12(木)

 こういう仕事をしてみたいなあ。

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スマートフォンやタブレットなど、ディスプレイ上での体験が主役となる商品が増加し、 商品の役割もそれらが提供するユーザー体験も大きく変わりつつあります。こうした潮流に対し、 ソニーはあらゆるタッチポイントでユーザーに感動をもたらす体験を届けるために、 オリジナルフォントの開発に挑みました。そのフォント開発プロジェクトの核心に迫ります。


Background


世界中のあらゆるタッチポイントで、 感動を提供するために

商品の小型化が進み、ハードウェアに記載される文字が小さくなる一方で、スマートフォンやタブレットなどディスプレイでの体験が主役に変わりつつあります。こうしたハードウェア上の表記はもちろんコンテンツを快適に楽しむ上で、文字の読みやすさはとても重要です。また、「フォント(書体)」の印象は商品のイメージだけでなく体験そのものに影響を与える大切なデザイン要素。ソニーが提供する商品そのものの価値や体験の質をさらに高めるためには、フォントのデザインにまでこだわる必要があると考えました。また、ソニー独自のフォントを開発することで、広告やwebサイトだけでなく、店頭でのプロモーション、商品、サービス、取扱説明書に至るまで、ユーザーとのあらゆるタッチポイントでソニーならではの共通の感動体験を提供できるはずです。こうして、ソニー全体で使うためのコーポレートフォントの開発プロジェクトが始動しました。


Concept
硬質感と可読性の両立

今回のフォント開発で目指したのは、「シャープさを残しながらも可読性の高い書体」でした。これまでソニーはパッケージなどを中心に「Helvetica®(ヘルベチカ)」というフォントを多く使用してきたため、その造形要素を取り除いてしまうと、これまでのソニーのイメージとかけ離れてしまいます。そのため、Helveticaのシャープで硬質な印象を残しながら、文字を小さくしたときにも視認性や再現性の高いフォントはどうあるべきかを模索しました。

さまざまなフォントの骨格や構造を調べていく過程で着目したのが、標識用に開発され、高い可読性を持つ「Frutiger®(フルティガー)」という

フォントでした。そこで、Helveticaの硬質感とFrutigerの可読性という2つのフォントのエッセンスを抽出し、新たなフォントの基本骨格となる「コンセプトフォント」を設計しました。

また、コーポレートフォントとして時代に左右されない普遍性のあるフォントに仕上げるには、フォントの歴史的な背景も理解した上で、正しい造形を再現する必要がありました。さらに、あらゆる言語で共通の体験を提供するには多言語展開が必須であるため、書体の制作で長い歴史を持ち、HelveticaとFrutigerのライセンスを所有するモノタイプ社にフォントの開発を依頼。こうしてソニーのコンセプトフォントをもとに、同社のタイプディレクターである小林章氏との本格的な「SST®フォント」の共同開発がスタートしました。

Feature

多言語展開への挑戦

SSTフォントの開発は、世界のあらゆる地域で共通の体験を提供するために、初期段階から日本語はもちろん、ギリシャ語やタイ語、アラビア語にも対応するなど、これまでにないスケールで進められました。小林氏によるディレクションのもと、実際にその言語を使う現地のデザイナーの意見を取り入れながら、それぞれの言語で最適化を図っています。こうして各言語にSSTフォントのコンセプトを反映させながら、最終的にはこれまでのフォントの常識を超える93言語まで対応し、世界中で共通のコミュニケーションを可能にしています。

文字の視認性と可読性の追求

ミュニケーションの道具として、文字の読みやすさは必要不可欠です。そのためSSTフォントでは、柔らかく自然なフォルムを取り入れながら、アパーチャーやカウンターと呼ばれる「g」や「s」などの文字の空間部分を広めに確保しています。これにより文字を小さくしたときにも再現性が高く、ユニバーサルデザインの観点からも優れた視認性を実現しました。また、SSTフォントの文字自体はゆったりと組みつつも、文字の幅を「S」を1としたときに「C」は1.2にするなど、文字幅のバラつきをできる限り小さくし、均一性を持たせています。こうすることで単語としてのまとまりを持たせながら、文章にしたときもスペースを抑えて読みやすさを高めています。

プロダクトと調和する ジオメトリックな造形

眼の錯覚によって文字の見えかたが変わるため、フォント開発では横線よりも縦線を太く設計するのが一般的です。しかし、SSTフォントは文字の線幅に統一感を持たせ、文字が均一に見えるように設計しています。さらに、縦横の線の抑揚を抑えて硬質感を表現し、ソニーらしいプロダクトの印象を感じさせるシャープかつジオメトリック(幾何学的)な造形を追求しました。こうしてFrutigerの高い可読性とHelveticaのようなシャープな骨格という相反する要素を融合させ、ソニーの商品群と調和しながら、モノとしての価値や体験を際立たせる新たなフォントが完成しました。

User Experience

ユーザー体験そのものを デザインすること

今回のフォント開発プロジェクトでは、ハードウェアの価値やディスプレイでの体験の質を高めるだけでなく、ソニーとユーザーをつなぐあらゆるタッチポイントで共通の体験を提供することを目指しました。すでに、商品パッケージや取扱説明書、このwebサイトなどでもSSTフォントが導入され、今後「プレイステーション 4」をはじめブラビア™やXperia™など、さまざまな商品に導入予定です。SSTフォントの開発により、商品の外観デザインだけでなく体験までもデザインすることで、商品の魅力を一層高められると期待しています。そして言語や地域を超えて、ソニーならではの最高のユーザー体験を世界中に届けていきたいと考えています。

ソニーは世界中に感動を届けるために、商品やコンテンツはもちろん、 フォントのような細部のデザインにまで徹底的にこだわることで、 最高のユーザー体験を追求します。

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