2019.2.16(土)
Evergreen Motion Picture通算9本目。 先週upしたヒッチコックの「サイコ」と共通のモデルとなった事件(1957年頃)を題材にしたサイコ・サスペンスの最高傑作の一つ。
女性を殺害しその皮を剥ぐという猟奇事件を巡り、序盤、中盤、終盤と飽きさせないストーリー展開、ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスの圧倒的な名演による緊張感漂う心理戦・・・、恐怖で背筋が凍りつくような世界を十二分に表現している。
元精神科医の猟奇的な殺人鬼ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)とFBI捜査官訓練生(ジョディ・フォスター)との監獄鉄格子越しの会話、そして会話と会話の間に漂う緊張感溢れる空気感を描いたところは特に秀逸で、映画史に残る名場面。本筋の皮剥ぎ事件がかすんでしまうほどだ。
後に「シックス・センス」「セブン」など、サイコ・サスペンスが量産されるのに先駆けたエポック的な作品であり、1991年のアカデミー賞主要部門を総ナメにした(作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞)のも頷ける。
続編は「ハンニバル」(2001)。刑務所から脱獄したレクター博士が再び登場する。
* 写真は毒舌亭自作のDVDラベル画像。