2018.5.30(火)
中国の主な観光地でもそうだったけれど、ハンガリーの首都プダペストに行ったとき、物売りの家族グループに盛んに売り込み攻勢をかけられ、大いに戸惑ったことがある。
昔だったらジプシーと言われた人々だろう。
ジプシーとは、「エジプシャン(エジプトからやって来た人)」を語源とする言葉で、一般にはヨーロッパ(特に中東欧)で生活している移動型民族を指す民族名とされる。
しかし、当人らの自称でもなく、現在は差別用語、放送禁止用語と見做され、一般には「ロマ」と言い換えられる傾向にある(NHKでも「ジプシー」を禁止し「ロマ」を使っているようだ)。
だが、移動型民族は、最大勢力のロマ族だけに限らず、ロミ族やロム族、ドム族、リューリ族、イェニシェ族など「ロマ」以外の民族も含まれており、少数民族を無視することにも繋がりかねないから、ロマと総称するのは必ずしも正確ではない。
それに、先日亡くなった西城秀樹の楽曲に「ジプシー」があったり、「太陽にほえろ!」で三田村邦彦が演じた刑事の愛称が「ジプシー刑事」だったりするから、どうもその辺の扱いがよく分からない。
ましてや、このグループが「ジプシーキングス」と名乗っているというに至っては、なんとも言葉に詰まるところだ(もっとも本来の「Gypsy」ではなく「Gipsy」を使っているけれど)。
Evergreen Music通算1150曲目は、そのジプシーキングス(フランスのルンバ・フラメンカ(フラメンコ+ラテン)バンド)の代表曲「インスピレーション」(最も有名なのは「ヴォラーレ」だろうが)。
この曲、松本幸四郎主演のTV時代劇「鬼平犯科帳」のエンディングテーマに使われた。
活動が40年に及ぶ彼らのファンには、チャールズ・チャップリンやBB(ベベ)ことブリジット・バルドーもいたという。