• yanxia2008

【better than--】

2018.3.24(土)

 旧知の福島民報佐久間記者、物足りない点はあるが、よく書けていて、評価したい。  最近とみに、ワンウェイ・カーブばかり切っているライバル紙、福島民友は、ここまで書けるのか?

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2018/03/23 

福島民報「論説」

【原発・いわき判決】古里はそんなに軽いか

 東京電力福島第一原発事故で楢葉町や双葉町など避難区域から県内外に避難した住民が、東電に慰謝料などを求めていた集団訴訟で、福島地裁いわき支部は原告が主張していた「ふるさと喪失」慰謝料を一部認めたものの、請求額の5%にも満たなかった。東電の津波に関する認識とその対応については「著しく合理性が欠けるとまでは認められない」とし、先の前橋地裁の判決より責任の評価を後退させたようにも見える。ふるさとの全てを、将来にわたって奪い続ける責任は、そんなに軽いのだろうか。  いわき支部の集団訴訟は「ふるさと喪失」の訴えを明確化するため、主に元の居住地が避難区域で国の指示によって避難した住民で組織した。速やかな救済を目指し、被告は東電のみとした。  重点を置いたのは「地域を破壊され、そこでの生活と、積み重ねてきた人生の全てを奪われた」とする「ふるさと喪失」の被害立証だ。  裁判では原告77世帯のうち遠方の2世帯を除く75世帯の尋問が行われた。裁判官は原告の求めに応じ、3回にわたって現場検証も行った。原告弁護団にとっては同種のこれまでの裁判でも最も丁寧に主張を立証してきたという自負から、納得できる賠償額が示されれば、早期の救済を目指して東電との和解交渉に移行することも考えていた。それだけに請求からほど遠い賠償額に原告は大きく落胆した。  「ふるさと喪失」の被害が認められたのは昨年9月の千葉地裁、今年2月の東京地裁に続いて3例目だ。しかし、いずれも慰謝料が低額にとどまっている事実は、今後に続く集団訴訟にも影響を及ぼすことが懸念される。  もしかすると原発事故によって広大な地域に生じた被害を表現するのに「ふるさと喪失」という少し情緒的な言葉はふさわしくないのかもしれない。原発事故による避難は地域の破壊そのものであり、強奪であり、終期の見えない強制的な移住であり、突き詰めれば命を奪うという数々の人権侵害だった。  裁判所が国と東電の責任をきちんと認めなければ、両者は原発事故がもたらした無残な事実に正面から向き合わないまま時間だけが経過するだろう。本質的な反省や原発行政の改善にはつながらない。  被害者にとって損害賠償が不十分な上、国による各種施策が実質的な生活再建につながらなければ救済にはほど遠い。責任追及と、新しいふるさとをつくる施策を強く訴える必要がある。(佐久間順)

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