2017.12.13(水)
ごく一部の例外を除き、裁判官は行政への忖度が好きだと思わざるを得ない判決を下すのが通例の今日、高裁レベルでこのような判断を下すのは希有なこと。 高裁での判断であること、規制委の基準さえも司法での判断の俎上に乗った ことで、ムラの連中が地団駄を踏む姿が目に浮かぶようだ。
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伊方原発の運転差し止め 広島高裁が仮処分 18年9月まで
2017/12/13 日本経済新聞
四国電力伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島市の住民らが求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日、2018年9月30日まで運転を差し止める決定をした。熊本県の阿蘇山が過去最大規模の噴火をした場合は安全が確保されないとして「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は不合理だ」と結論付けた。
11年3月の東京電力福島第1原発事故後、原発の運転を差し止める高裁の司法判断は初めて。
伊方原発3号機は定期検査のため停止中。18年1月の再稼働を予定していたが、仮処分決定は直ちに効力が生じるため、決定が覆らない限り運転は再開できない。四国電は異議申し立てや決定の効力を止める執行停止の手続きを取る方針。
野々上裁判長は、原子力規制委が福島原発事故後に策定した新規制基準の合理性は認めた。その上で火山の安全性審査の内規で「過去最大の噴火規模を想定する」としていると指摘。伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山の危険について「約9万年前の過去最大の噴火規模を想定した場合、火砕流が伊方原発敷地に到達する可能性が小さいとはいえず、立地は認められない」と判断した。
仮処分は訴訟に比べると証拠調べの手続きに制約がある。このため、訴訟が係争中の広島地裁が異なる判断をする可能性を考慮に入れ、運転差し止めの期間を18年9月末までとした。