2014.5.8(木)
米Apple社との比較を通して、日本の企業、産業構造の変化に鋭い指摘をしています。
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製造を外注しても技術力を失わないアップルの凄み 欧米モデルを誤解し安易に模倣する日本企業のリスク
2014.5.7 DIAMOND ONLINE
「アウトソースを行っているにもかかわらず、意外にコストが下がらない」
こんな愚痴を頻繁に耳にする。
「アップルは技術がすごいのではなく、ビジネスモデルがすごいのだ」
こんな話もよく聞く。
今回は、世界で最も注目されているデジタル家電企業・アップルの「強さ」について分析したい。同社はビジネスモデルも凄いが、実は超ノウハウ集団なのである。
最初に面白い話を紹介したい。読者の中にはピンと来る人もいるかもしれないが、アップルが手がけるある製品の「初代機」についての開発秘話だ。これは、バッテリーをソニーが担当していた。「ソニーがバッテリー?」と思う読者もいるかもしれないが、実は世界で初めてリチウムイオン電池を商品化したのはソニーだ。
ソニーは、部品メーカーとしても秀逸だ。CMOSなどの画像センサーは、ライバルのサムスンと比べて3倍以上のコストがかかっているにもかかわらず、「iPhone5」「Galaxy」などのスマートフォンでは標準搭載となっている。
筆者は、イノベーションは部品や素材から起きると考えている。ソニーはもっとデバイス事業、B2B事業に経営資源を投じても良いとも思っている。
話を元に戻そう。前述の「初代機」を開発する際に、アップルからソニーに対して大幅な軽量化の要望が出た。デザイン性を高めた端末であったため、肉厚をもっと攻めることが求められた。