2016.10.19(水)
まだフィーバーが続いている件。
ボブ・ディランがノーベル文学賞を受けるかどうか、未だに態度を明らかにしていない。ノーベル委員会事務局もディランへの連絡・意思確認を断念したという。
受けないかも知れないし、受けるかも知れない。
受ければ受けたで、「小説だけが文学だ」と豪語するプロ文筆家の傲慢を打ち砕くものであり、カッコいい。
逆に、「爆弾製造会社創業者が作った賞なんか受けない」なんて言い出せば、これはこれでカッコいい。サルトルだって辞退したしね。
ま、どちらにしても、異端者ディランらしくて、良いね。
ところで、可能であれば、ディランには平和賞も同時にあげたいし、故ジョン・レノンにも両方の賞をあげたい。
もう一つおまけに、国民栄誉賞を、伊調馨クンとともに、内村航平クンにもあげたいなあ。
と、毒舌亭は今夜も、欲張り願望をひとくさり。。。
ボブ・ディランがノーベル文学賞辞退か? スウェーデン王立アカデミーが連絡を断念
NIKKEI BP NET 2016.10.18
2016年10月13日にまさかのノーベル文学賞を受賞して世界中を驚かせたボブ・ディラン氏。ところが、受賞発表後もスウェーデン王立アカデミーからの連絡には答えず、コンサートでは賞については沈黙を守っている。ついには王立アカデミーは同氏への連絡を断念することとなった(参考:Nobel panel gives up knockin’ on Dylan’s door、TheGurdian)。
同氏のTwitterは、13日にオバマ米大統領のツイートをリツイートしたのみ。同日開催されたライブでは、賞についてはいっさい話さず、淡々と進行したという.
ボブ・ディラン氏のTwitterは、13日にオバマ米大統領の祝福ツイートをリツイートしたのみ。沈黙を保っている.
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こうした状況のなか、ノーベル賞委員会は「ボブ・ディランへの連絡をあきらめた」と発表(参考:Nobel Prize panel stops trying to get in touch with Bob DylanEntertainment Weekly)。同氏によるノーベル賞辞退の可能性も見えてきた。
ノーベル賞辞退は過去に数例ある
約115年の歴史を誇るノーベル賞において、受賞を辞退した事例は過去に数例ある。多くは受賞者が属する国家の状況が関連したものである。
ドイツの病理学者、ゲルハルト・ドーマク氏は1936年にノーベル医学・生理学賞を受賞したが、当時政権を担っていたナチス・ドイツの問題から、ドイツ人の受賞が禁じられていたため受賞を辞退。戦後1947年に改めて受賞した(参考:The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1939)。
同様に、1938年ノーベル化学賞のリヒャルト・クーン、および同じく同年に化学賞を受賞したアドルフ・ブーテナントの辞退事例がある。ただし、彼らはいずれも戦後に受賞している。
完全に辞退したのは、以下の3例になる。1958年文学賞は「ドクトル・ジバゴ」(1957)で知られる旧ソビエト連邦のボリス・パステルナーク氏が選ばれた。「ドクトル・ジバゴ」はソ連国内ではロシア革命を非難する作品として発禁処分にされていた。そのため、ノーベル賞受賞時にもKGBとソ連作家同盟による反対運動の結果、辞退させられた(参考:The Nobel Prize in Literature 1958)。
初めてノーベル賞を完全に辞退したのは「ドクトル・ジバゴ」で知られる旧ソ連の作家ボリス・パステルナーク氏。1958年文学賞を受賞していた。
画像はノーベル賞公式サイトより引用
1964年、哲学者ジャン=ポール・サルトル氏がノーベル文学賞を受賞することとなったが、「いかなる人間でも生きながら神格化されるには値しない」と受賞を辞退した。彼は、事前にノーベル賞委員会に対して辞退の書簡を送っていたというが、その到着が遅れてしまった(参考:ノーベル賞公式サイトの記録「The Nobel Prize in Literature 1964」およびTheGurdianによる2015年の記事「Jean-Paul Sartre rejected Nobel prize in a letter to jury that arrived too late」)。
1973年のノーベル平和賞は、同年にパリで行われた、ベトナム民主共和国(北ベトナム)、ベトナム共和国(南ベトナム)、南ベトナム共和国臨時革命政府、アメリカ合衆国による戦争終結協定「パリ協定」を成立させたことについて、双方の代表であった北ベトナム側のレ・ドゥク・トベトナム共産党党中央委員会顧問とアメリカのヘンリー・キッシンジャー国家安全保障問題担当大統領補佐官が選ばれた。しかし、レ・ドゥク・ト氏は「ベトナムにはまだ平和は訪れていない」とこれを辞退した(参考:The Nobel Peace Prize 1973)。
さて、ボブ・ディラン氏はこのまま無反応を貫いて受賞を辞退することになるのだろうか。世界中の人々が注目の視線を送っている。