2016.7.13(水)
昨年の今日の投稿(ノート:)を再掲。 安保法制が大問題になっていたときの「集団的自衛権」にからんでの投稿でした。
今日は別の観点から。
昨日の南シナ海の領有権をめぐるハーグ仲裁裁判所判決(最終判断)を受けた中国の反応(強烈な反論、無視)を見るに付け、1986年のニカラグア事件に対する米国の対応を思い出します。
どちらの係争も小国が大国を訴えたもので、中国はハーグ仲裁裁判所に、米国は国際司法裁判所(ICJ)に管轄権がないとして、いずれも審理をボイコットしています。
大国は横暴です。 中国は覇権膨張主義をやめ、国際法を遵守すべきです。 他方、米国は国連海洋法条約を批准し、海洋法条約に基づく国際的枠組みに加わるべきです。
なお、日本も「沖ノ鳥島」(サンゴ礁からなる東京都小笠原村の島。露岩が満潮時にも姿を現していてコンクリートで周囲を護岸工事中。日本はこれを「島」として領海とEEZ(排他的経済水域)を設定。一方、中国は領海を持つ「岩」であり、「沖ノ鳥岩」にはEEZは認められないと主張)の問題を抱え、単純に中国に対して「法の支配に従うべき」と述べるだけでは済まなくなることも考えられます。論理の補強・組み立てが必要になるでしょう。 ※ ニカラグア事件
国際司法裁判所(ICJ)は1986年に、米国がニカラグアの反政府武装組織を支援したとして同国政府が訴えた裁判で、米国に3億7000万ドルの賠償を命じる判決。しかし米国は、ICJには管轄権がないと主張し、審理の大半をボイコットしたうえ、判決に従わず。ニカラグアは国連安保理に訴えたものの米国は拒否権を発動し、判決順守の決議案を否決。国連総会が採択した同様の決議も無視。
※ 昨年の投稿は本ホームページの「「Historical Archives(毒舌亭ノート)」#014 ニカラグア事件(本案)国際司法裁判所判決についてを参照。