2015.3.19(木)
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昨日までの国連防災世界会議が「400にも及ぶ仙台でのシンポジウム、セミナーで、福島県や原発事故を中心としたものはわずか」と福島民友に評される中、正に原発事故被災の地・福島から情報発信できたことは、大きなインパクトと意義があったと思います。
鈴木 浩
2015年3月19日 ·
3月14~18日の国連防災世界会議が終了しました。
私は14日の建築学会など建築関係5団体の仙台でのシンポジウムを皮切りに3月16日の福島大学FURE主催のシンポジウムにも参加させていただきましたが、私にとってのメイン・イベントは17日のワークショップと上映・展示でした。
およそ一年、原発災害について福島で開催し世界に発信すべきと思い立って、さまざまな困難がありましたが、多くの皆さんのご協力とご支援を受けて何とか実現の運びになりました。
ワークショップは大きくは4つの目標を掲げてきましたし、それが「ふくしま行動宣言」に結実したように思います。
原発災害になお苦しみ、長い道のりを歩まざるを得ない被災者とどう向き合うか、被災者の人間の復興、人間の尊厳の尊重をしっかりと見据えた復興プロセスを辿るために行動を起こすこと、多くの人々がなお政府や東電の対応に不信や不満そして怒りを感じているのは、やはり初動期の情報の混乱や隠ぺい体質があったからだと思っています。
初動期はもちろん、その後の復旧・復興過程でも透明が高く、迅速で科学的な情報に接することができないで時間が経っています。
政府が様々な情報を発信していることも事実ですが、人々がそれらの情報にアクセスするのはたやすいことではありませんし、一方的な情報提供なのです。何としても透明性の高き情報を入手し、また発信することもできる双方向の情報プラットフォームの必要性を感じてきました。
さらに、被災者の方々が、支援や制度の対象としてではなく、彼ら自身が復旧や復興そして自らの生活再建の主体として関わる機会を準備すべきです。
これが「車座会議」です。
ただ、ここでは被災者だけでなく市町村や県・国、専門家などがフラットの立場で関われることが大切です。
その際に必要なことは異なった意見を尊重しあうということです。
それは民主主義が試される場でもあります。
そして最後には、福島原発災害の教訓を世界とともに共有し、世界の人々と連帯しながら、解決の方向を見出すことです。
原発災害は人類史上の大きな課題を突きつけたと思うからです。
幸い、ここ2、3年の間、ヨーロッパで活動するNERISとの関係を築いてきましたので、今回4人のメンバーを招聘することができました。
さらに国連大学の皆さんにも参加していただくことができました。
今回のイベントは通過点です。
これから、被災者とともに生活再建と故郷の復興に向けて確実な歩みを生み出していければと思っています。
この間、ご協力、ご支援いただいた方々に改めて感謝します。
ありがとうございました。