2015.2.1(日)
後藤健二さん殺害で安倍首相が「その罪を償わさせるため国際社会と連携していく」と表明したという。 しかし、言葉の意味するところの定義付けが必要ではないか。
①「その罪を償わさせる」とは何を意味するのか。
(1)日本国が報復の軍事措置を取る(自衛隊の派遣・軍事行動)のか(相手は「国」ではないのだから、そんなことができるのか) (2)領域国(シリア、イラクなど)の政府軍事力又は警察権の発動により制圧させる(そう働きかける=どうやって?)と言うことか、 (3)国連(安保理)決議に基づく多国籍軍により軍事制圧させるのか(自衛隊は多国籍軍に含まれるのか) (4)(安保理決議に基づかない)有志連合(米英など)による軍事制圧を意味するのか(その場合、日本は一体どういう立ち位置に立つのか) 明らかにすべきだ。
②「国際社会」とは何か。
(1)「同盟国」の米国、英、仏など一部の「有志連合」を意味するのか (2)国連に集結するあらゆる主権国家の集合(いわゆる本来の国際社会)を意味するのか、 (3)他に何かを意味するのか 明らかにするべきだ。
イスラム国の卑劣な蛮行を非難することは分かるが、だからといって、センテンスとしては短くとも、定義を明らかにしないまま感情にまかせてここまで口走ることは、重大な内容を孕むだけに、安易・拙速だったと言うべきではないか。
事は日本の取るべき進路に大きな影響を与え、危険なリバウンド、ブーメラン現象が生じることもあり得ることを考えると、十分波及効果をシミュレーションした上で発言したのだろうか?
対テロ、国際社会と連携=安倍首相「罪償わせる」 空爆後方支援せず
W・S・ジャーナル 2015.2.1
政府は1日、過激組織「イスラム国」とみられるグループが後藤健二さんを殺害したとする映像をインターネットで公開したことを受け、首相官邸で関係閣僚会議を開き、国際社会と協力してテロ根絶に取り組む方針を確認した。 安倍晋三首相は声明を発表し、「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために国際社会と連携する」と表明した。 声明は英語、アラビア語にも訳され出された。 首相は午前7時すぎに開いた閣僚会議で、「日本がテロに屈することは決してない」と強調。「中東への食料、医療といった人道支援をさらに拡大していく」と述べ、引き続き中東の安定化に関与していく方針を表明した。 続いて国家安全保障会議(日本版NSC)も開催した。 首相は記者団に「日本に強い連帯を表明し、解放に向けて協力をしていただいた世界の指導者、日本の友人たちに感謝申し上げたい」と語った。 首相は1日夜、ヨルダンのアブドラ国王と電話で会談し、同国の支援に謝意を示すとともに、「人道支援をさらに拡充し、テロとの戦いで責任を果たしていく」と伝えた。 国王は「悲劇的結末を迎えたことに哀悼の意を表したい」と述べた。岸田文雄外相も同国のジュデ外相と電話し、今後も連携することで一致した。 菅義偉官房長官は午前の記者会見で、「テロ撲滅に向けて日本はしっかり役割を果たす」と述べ、難民支援などで貢献する考えを示した。 ただ、米軍主導の有志連合による対イスラム国空爆作戦に、自衛隊が後方支援を行う可能性は「ありません」と否定した。 菅長官は政府の対応について、有識者を交えた検証が必要との考えも示した。 イスラム国側が当初要求した2億ドルの身代金については「交渉しなかった」と語った。 政府は午前5時前後に映像を確認し、後藤さんの家族にも連絡した。 菅長官は同5時半ごろ官邸に入り、3人の官房副長官らと情報収集、分析を進めた。 首相は同6時15分ごろに公邸から官邸に移動し、対応に当たった。