【チキンカレー】

214.4.12(土)

 いつもは豚か牛肉を使うのに今日は鳥肉のカレー夕食に。  増税対抗策というか、安倍内閣がどうもそうしろと「閣議決定」したらしい(まことしやかなエセ噂)。  近頃は、何でもかんでも、この内閣は閣議で物事を決めるらしいからね。  おお、怖。ブルブル。

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原発政策:原発回帰の「エネルギー基本計画」を閣議決定 ベストミックス示さず不安な船出

2014.04.14 日経BP

 政府は4月11日、国のエネルギー政策の指針を示す「エネルギー基本計画」を閣議決定した。安倍政権は、民主党政権が打ち出した2030年代の「原発稼働ゼロ」方針を撤回し、原発回帰に向けて大きく舵を切ることを宣言した。

 菅義偉官房長官は11日午後の記者会見で、原子力規制委員会の基準に適合した原発の再稼働を安倍首相が最終判断するのかという記者の質問に対し、再稼働の是非は政治判断しないと回答。日本の16原発48基のうち原子力規制委員会に審査申請しているのは10原発17基あるが、審査を通った原発は速やかに再稼働させていく方針だ。

◉ 原発の新設も事実上容認へ

 エネルギー基本計画では、原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、安全が確認できた原発から再稼働させると明記した。

<一次エネルギー構造における各エネルギー源の位置付けと政策の基本的な方向 >

1)発電(運転)コストが、低廉で、安定的に発電することができ、昼夜を問わず継続的に稼働できる電源となる「ベースロード電源」として、地熱、一般水力(流れ込み式)、原子力、石炭。 2)発電(運転)コストがベースロード電源の次に安価で、電力需要の動向に応じて、出力を機動的に調整できる電源となる「ミドル電源」として、天然ガスなど。 3)発電(運転)コストは高いが、電力需要の動向に応じて、出力を機動的に調整できる電源となる「ピーク電源」として、石油、揚水式水力など。

 だが、原発をどのようなタイムスケジュールで減らしていくのか、またエネルギーミックスの比率をどう変えていくのかについて、基本計画では明示していない。

 再生可能エネルギーについても、「これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準を更に上回る水準の導入を目指し」とだけ記されており、これまでの計画の数値として「2030年の発電電力量のうちの再生可能エネルギー等の割合は約2割」とだけ脚注でのみ記されただけだ。

 原発については「確保する規模を見極める」としており、規模を維持するために、廃炉になった原発に代わって、新たに原発を新設していくことを示唆している。

 これが東京電力福島第一原発によるレベル7という未曾有の原発事故を引き起こした国が示す新たなエネルギー政策と言えるのだろうか。

◉ 削除された原発事故の「反省と教訓」

 4月11日に閣議決定した「エネルギー基本計画」は、昨年12月に総合資源エネルギー調査会基本政策分科会による「エネルギー基本計画に対する意見(とりまとめ)」を基に、それを一部修正して2月25日に政府原案として発表し、それを自民党と公明党でさらに修正して完成させたものだ。

 だが、政府案を修正協議する際に、原発事故への深い反省を示す下記の文言が削除されていたことが判明し、波紋を呼んだ。

 <当初削られた文言>

 2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故は、我が国の社会に対して甚大な被害を与えた。政府及び原子力事業者は、いわゆる「安全神話」に陥り、十分な過酷事故への対応ができず、このような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省を一時たりとも放念してはならない。

 閣議決定した最終原稿では、政府及び原子力事業者以下の文言は復活したが、「2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故は、我が国の社会に対して甚大な被害を与えた」という文言は削られたたままで、本文にあった「事故の反省と教訓を将来に活かすべく」という文言も削除されたままだ。

 つまり、事故を引き起こしたのはあくまで震災であって、過酷事故への「対応」については反省しても、原発の存在そのものは悪くないという立場を示したわけだ。

 当初案の文章の冒頭にあった原発事故にかかる下りは閣議決定原稿では後ろに回され、エネルギーの安定確保や安全保障の必要性を前面でうたい、安定確保が現段階では難しい再生可能エネルギーや海外からの輸入に頼る液化天然ガス(LNG)ではなく、原発に頼る必要性を強調する内容となっている。

◉ 2月25日に公表された「エネルギー基本計画」(案)の冒頭部分

 震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見直す。原発依存を可能な限り低減する。東京電力福島第一原子力発電所事故で被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、寄り添い、福島の復興・再生を全力で成し遂げる。ここが、エネルギー政策を再構築するための出発点であることは言を俟たない。

4月11日に閣議決定された「エネルギー基本計画」の冒頭部分

 我が国は、エネルギー源の中心となっている化石燃料に乏しく、その大宗を海外からの輸入に頼るという根本的な脆弱性を抱えており、エネルギーを巡る国内外の状況の変化に大きな影響を受けやすい構造を有している。国民生活と産業活動の血脈であるエネルギーの安定的な確保は、国の安全保障にとって不可欠なものであり、我が国にとって常に大きな課題であり続けている。さらに、国際的な地政学的構造の大きな変化に直面する中で、我が国のエネルギー安全保障を巡る環境は、厳しさを増してきている。

◉ バーゲニングパワーを高めるために原発は必要?

 経産省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の委員である柏木孝夫東京工業大学特命教授は、「技術を継承し、高めていくためにも、原発は一定の規模を維持すべき」と説明する。「安定供給を確保するには、多くの選択肢を持つことでバーゲニングパワー(交渉力)を高めなくてはならならない」というのが理由だ。

 昨年12月の有識者案から、2月の政府原案になるまでにも、主に原子力政策に関わる部分では、3つの点が変更になったという。  ⇒ 原発は推進か縮小か エネルギー基本計画に表れた現政権の思惑

 1つ目は「基盤となる重要なベース電源」としていた表現を、「重要なベースロード電源」と改めた点。系統電力は、エネルギー効率や経済性に優れた良質な電源から順に「ベース電源」「ミドル電源」「ピーク電源」として稼働させるため、その意味を強調するために「ベースロード電源」とした。「基盤となる」という文言がはずれたことで、公明党などの理解も得やすくなったわけだ。

 2つ目は原発の規模についての修正だ。有識者案では「必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する」としていたが、政府案では「確保していく規模を見極める」と修正された。見極めるのは「必要とされる規模」ではなく、あくまでも「確保していく規模」にこだわった。つまり、新設の余地をここで示したわけだ。

 3つめが、核燃料サイクル政策について。有識者案では「着実な推進」となっていたが、「着実な」という表現が削除された。青森県の六ヶ所再処理工場の竣工遅延や、高速増殖炉「もんじゅ」のトラブルなどがあり、これまで着実に推進してきたとは言い難い。今後、さまざまな見直しも必要だ。そうしたことも考慮した修正という。

◉ 動かない「もんじゅ」に毎年200億円の予算が消える

 ジャーナリストの田原聡一朗氏はもんじゅの存続について異を唱える。

 もんじゅは、総事業費1兆円の国家プロジェクトだ。だが、1995年に冷却材であるナトリウムの漏洩で火災事故を起こしたうえ、二重三重の隠蔽工作ですっかり信用を失ってしまった。その後、2010年5月に運転を再開したが、同年8月に炉内に中継装置を落としてしまい、今もストップしたままだ。

 それにも関わらず2月末に衆院で可決された2014年度予算案では、「もんじゅ」に「維持管理・安全対策経費」として約200億円が計上されている。 運転していない現在でもこのような巨費が国家予算から湯水のように消えている、と田原氏は指摘する。  ⇒ 曖昧なエネルギー基本計画案、議論ないまま閣議決定か

 柏木氏も、高速増殖炉における「増殖炉」としての機能、つまり投入したウランやプルトニウムよりも多くのプルトニウムの生成を実現することは、現状では難しいと言わざるを得ないと認める。だが、高速中性子による反応を用いる「高速炉」として、高レベル放射性廃棄物の減容化および有害度低減を実現することは、それほど無理な話ではないという。

◉ 「六ケ所再処理工場」は核兵器の量産工場?

 一方、エネルギー基本計画では「六ケ所再処理工場の竣工」(青森県六ケ所村)も盛り込まれている。1993年から約2兆1900億円の巨費を投じて建設が進められているが、いまだ完成していない。これを一気に加速させ、今年10月までに完成させるという。

 この施設は、原発で発生する使用済み核燃料を集め、核燃料のウランとプルトニウムを取り出す再処理工場。年800トンの使用済み核燃料を再処理し、8トンのプルトニウムを取り出すことが可能だ。

 核兵器1発あたり4kgのプルトニウムで製造できるといわれている。単純計算すると、毎年2000発の核兵器を製造する能力を保有することになる。このため米国は核不拡散の観点から六ケ所再処理工場の稼働を懸念しているのだ。

◉ 使用済み核燃料の最終処分問題は藪の中

 田原氏は最大の問題は使用済み核燃料の最終処分であると指摘する。

 基本計画案に「放射性廃棄物の最終処分制度を創設して以降、10年以上を経た現在も処分地選定調査に着手できていない」と明確に書かれている通り。使用済み核燃料を再処理した後に残る高レベル放射性廃棄物を地層処分するために2000年10月に設立された原子力発電環境整備機構(NUMO)も、まったく機能していないのが現状である。

 昨年8月にフィンランドで使用済み核燃料の処分施設「オンカロ」を視察した小泉元首相は、地下420メートルに使用済み核燃料を保管する計画を知って、都知事選に細川元首相を立て、「即原発ゼロ」を旗印に戦ったのは記憶に新しい。

 小泉氏は使用済み核燃料を無害化するには10万年かかると聞き、「原発はダメだ」と思ったわけだ。実はこの問題は何ら解決のメドが立っていないのである。  ⇒ 小泉「即原発ゼロ」発言の“挑発”に困惑する自民党

 それにもかかわらず「国が前面に立って最終処分に向けた取組を進める」としている。だが、「そのプロセスは長期間を必要とする」と書くだけで、具体的な取り組み方法はいっさい示していない、という。

 結局、エネルギー基本計画案では、原子力政策は曖昧なままで具体的な政策が書き込まれていない。言ってみれば、典型的な「官僚答弁」である、と田原氏は指弾する。

◉ 政府が原発を是が非でも再稼働したい理由

 安倍政権はトルコやインドに原発を売り込もうとしていることからも分かるように、日本のエネルギー分野の国際競争力を原発に頼っているのだ。そのためには是が非でも原発を再稼働させ、東電を再生させる必要があるのだ。

 アベノミクス第3の矢となる成長戦略が描けないでいる。円安にも関わらず貿易収支が改善しない理由を、安倍政権では電力に必要なエネルギーを輸入に頼っているのも大きな原因とみているようだ。原発再稼働によって、輸入原料が減れば貿易収支も改善すると考えているようだが、それは本末転倒な話だ。日本企業の競争力をつけるための政策を優先すべきだろう。

 東電については既に1兆円もの資金を投入しているため、破たんさせるわけにはいかないのだ。原発が1基稼働すれば1000億円の収支改善になるという見立てもあるため、東電の収支改善には原発稼働が不可欠という考えだ。

 平成26年度3月期第3四半期決算短信を見ると、固定資産の部に「原子力発電設備」が5940億円、「核燃料」が7906億円計上されている。つまり、稼働可能な原子力発電所や核燃料は、いまだに使い続ける前提の会計処理がなされていたのだ。。  ⇒ 原発事故後、3年間で東電はどのように変わったのか

 経営コンサルタントの小宮一慶氏は、東電は福島原発の再稼働は無理でも、かつて原発の発電量では東電管内の約半分を供給していた新潟県柏崎刈羽原発は、是が非でも再稼働させたいと考えているという。もし再稼働しなければ、この「原子力発電設備」と「核燃料」を合わせた1兆4000億円もの減損を随時行わなければならないからだ。

◉ 原発回帰で置き去りにされる「フクシマ」

 だが、そもそも議論の出発点は、あの「3.11体験」であったはずだ。甚大な被害を及ぼした東日本大震災と福島第一原発事故。その反省から、2030年代には原発ゼロを目指すといった議論や、それを政策的に実行するための「原発即ゼロ」という発想さえ出てきたのだ。安倍政権の原発への傾斜振りは、まるで原発事故などなかったかのような錯覚さえ与える。

 震災直後から定点観測を続けるクリエイティブ・ディレクターの仲原正治氏は、福島の状況は何ら改善していないと嘆く。原発事故によっていまだ14万人の人々が避難所で生活している。その中には故郷への帰還をあきらめた人も多い。原発被害の大きい相馬市、双葉町、飯舘村など12市町村がある相双地区では3年間で約8.1%の人口減と非常に高い。しかも大半は住民票を移していない。実際に住んでいる人はもっと少ない。  ⇒ 震災4年目に入った福島県浜通り

 震災以降の被災者の自殺は14年3月までで岩手、宮城、福島で117人、そのうち福島県は46人 (約40%)だが、13年に限ると全体で38人に対して福島県は23人と約60%になっている。自分の家に帰れないことが、精神的にもいかに大変かを考えさせられる。

◉ 漁業や農業の先も見えない。

 原発事故の除染ゴミの処理も深刻だ。原則として汚染ゴミを出した都県で処理するため、福島、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉、東京の各都県に中間貯蔵施設をつくることになっている。他県では中間貯蔵施設の候補地も決まっておらず、最終処分場は候補地も選べない状況だ。福島県にできる中間貯蔵施設がいつのまにか最終処分場になってしまうのではないかと危惧する。

◉ 再生可能エネルギーは2015年問題に直面

 安倍政権が原発再稼働にまい進んする中、再生可能エネルギーは大きくトーンダウンしそうだ。再生可能エネルギーは間もなく2つの「2015年問題」に直面する。2015年3月に買い取り価格のプレミア期間が終わる。さらに、グリーン税制に基づく「即時償却」制度も同じ時期に終わってしまうのだ。

 企業や個人の高額所得者にとっては、利回り以上に重要なものだ。まだ不確定ではあるが、資源エネルギー庁は、「再延長しない」との方針のようなので、この点でも太陽光発電の魅力が低下するのは避けられない。  ⇒ 再生可能エネルギーは2015年問題に直面 太陽光発電は年金の代わりになる! 「超世代ソーラー」で高齢者のお金を動かせ

 安倍政権はもはや再生可能エネルギーは眼中にないようだ。そして、多くの原発立地自治体が避難計画もないまま、原発再稼働を推進しようとしている。地震列島の日本においてひとたび巨大地震が起これば、また福島と同じ苦しみが全国に広がる懸念がある。国は国民の安全を守る義務があるのだ。国際競争力やエネルギー産業の育成は、それを確実にしてからでないと許されない。

 「エネルギー基本計画」は3年ごとに見直しが入る予定だ。2017年、まだ日本という国家が新たな原発事故によって壊滅的な打撃を受けていないようなら、将来への確かな目をもったポスト安倍政権が、世界に誇れる新たな「エネルギー基本計画」を策定することに期待をつなぎたい。

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