2014.2.7(金)
鎌田慧氏らの「脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会」による都知事選候補一本化の再呼びかけに対する宇都宮候補(というより、「陣営の」と言うほうが正しいのかも?)の受け入れ拒否の弁。
なるほど、言っていることは正論だ。私も宇都宮氏が政策を最も良く練り、訴えていると思うし、人間的にも素晴らしい方で、知事に適任だと思う。報道ステーションでのお話も論理的で、素晴らしかった。
しかし、しかしだ。両候補の狭間で揺れ動き、悩み、傷ついている人が多いこと、分断によって懸念が予想される非常事態を考えると、一昨日、昨日の選挙戦終了後の夜に、お二人同士での虚心坦懐な話し合いの場を持っても良かったのではないか。
何らかの良い道筋が得られるようにと、息を詰めて、一縷の願いを持って、期待していた人が多いに違いない。 被爆県民として、第二の福島を生じさせてはならない、共倒れに伴うこれ以上の政権の暴走を食い止めなければならないと私でさえ思うのに、残念の一言ではとても言い表せない。落胆というしかない。 それから、細川さんのホームページをめくってみたが、この件について情報がないのは残念だ。どう回答したのだろうか?情報を有権者に提供しなかったとしたら、誠実とは言えない(あったらごめんなさいですが)。
「この選挙の終了後に、選挙結果にかかわらず、両候補の胸襟を開いての懇談の場を設けることも両選対の間で合意された」ことは歓迎するが、わだかまりは残るだろう。
しかし、こうなった以上は、仕方ない。 投票率を上げ(若者よ選挙に行こう)、双方とも公明正大に、全力を尽くし、ワン・ツー・フィニッシュで大団円の結果が出ることを期待するしかない。
それにしても、支援者同士の非難合戦、罵り合いは実に嫌気が差す。党派性が感じられる。 「非難する相手が違う」と言っているのだが。。。
****************************************
宇都宮 けんじ
2014年2月6日
本日、「都知事選候補一本化を呼びかける申し入れ書について」に回答させていただきました。皆様にもご報告します。お読みいただき、私と選対の考えや思いをご理解いただきたいと願います。
以下、全文です。
2014年2月6日
脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会 世話人 鎌田慧 様
希望のまち東京をつくる会
都知事選候補一本化を呼びかける申し入れ書について(回答)
貴会から2014年2月3日付「2014年東京都知事選挙候補統一に関しお願いの件」を受領し、慎重に検討を行いました。貴会のみなさまの記者会見の様子も確認させていただきました。貴会に集まられた皆さんの脱原発政策実現にかける熱意、安倍政権の危険な暴走に対する深い懸念について、私たちも心から賛同します。しかし、残念ながら選挙終盤の現時点では、このような申入れを受けることはできないという結論に達しましたことをお伝えします。 理由は以下の通りです。
1. 前回申入れ時とは状況が違う
前回(1月13日)、「脱原発都知事を実現する会」から同様の申し入れをいただいたときは、告示前の状況であり、当方からは、オープンな場での話し合いに応じる用意があるという趣旨の回答を致しました(別紙)。それにもかかわらず、結局のところ、この話し合いは実現しませんでした。なお、「脱原発都知事を実現する会」は細川支持の勝手連として活動されているものと理解しています。
今回の申し入れは、すでに告示後であり、いったん立候補した後に立候補を辞退できるのは、届出期間中(告示日の午後5時まで)に限られています。既に、期日前投票もはじまっているという状況下である点が前回と大きく異なります。
いまこの申入れを受け入れることになれば、宇都宮候補にすでに期日前投票してくださった支持者のみなさん、応援してくださっている多くの支持者のみなさん、寝食を忘れて選挙活動を手伝ってくださっているボランティアのみなさんの想いを裏切ることになることとなる点、どうかご理解ください。
2.政策が一致していない
細川候補が正式に出馬を表明し、政策を公表されたのは、告示前日の夕方であり、政策のすりあわせなどは到底不可能でした。細川候補と宇都宮候補は脱原発政策の一部において一致するものの、他の多くの基本政策において見解を異にしています。たとえば、貧困、雇用、福祉、教育などの都政の根本にかかわる政策、さらに国家戦略特区、憲法、集団的自衛権、秘密保護法、TPPなども、本来国政の課題でもありますが、都知事としての姿勢が問われる重要な分野についてです。
脱原発が極めて重要な喫緊の課題であることはいうまでもありません。一方で、貧困に苦しみ、追い詰められている生活困窮者や、ブラック企業の被害に遭っている若者、保育所の入所を認められない保護者などの多くの都民は、貧困・雇用・福祉さらには首都圏直下型地震に対応する防災等の政策の充実を待ち望んでいるのです。東京が抱えるこれらの切実な問題に、私たちは目を背けることはできません。
3.必要とされるのは公開の場での議論
東京が抱える問題や、それを解決するための政策について、公開の場で、徹底的に議論することこそが必要なのではないでしょうか?
選挙戦での公開討論会やTV討論は多くの有権者に政策を訴え、フェアな議論を通じて、自らの考えに近い候補を選ぶための重要なプロセスです。宇都宮候補は、これを重視し、他の予定はすべてキャンセルして、すべての公開討論に出席するという方針でスケジュールを組んで臨んでいました。 1月28日までに、キャンセルされた公開討論企画と番組は合計15件に及びました。これについては、1月28日に私たちとして声明をだしておりますので、ご覧ください。
私たちは、宇都宮候補の掲げる政策に自信をもっています。多くのボランティア・スタッフが、人格、識見、政策実行力において秀でた宇都宮候補こそが、都知事に適任であると考え、日夜精力的に活動しています。
候補の一本化=立候補の取り下げは、公開の場で政策を議論し、有権者が考える機会と選択肢を都民から奪ってしまうものであると考えます。
4.脱原発の結束のために
貴会の記者会見で落合恵子さんなども指摘されていましたが、私たちはこの間の「一本化」をめぐるさまざまな論争が、脱原発に関わる市民運動に亀裂を生み、将来に禍根を残すことの危惧については私たちも共有しています。今回の申し入れを受けて、両選対同士で話し合いを持ち、今後の選挙運動において、このような事態を生じないようにしようということを確認しました。
細川・宇都宮両陣営に加わった脱原発を願う市民が、これらの論争で生じたかもしれないわだかまりを解消し、強固な結束により、原発事故の被害者の支援と全国の原発の再稼働に反対し、原発ゼロを実現する取り組みをともに続けていくことを心より希望するものです。そのような活動の一環として、この選挙の終了後に、選挙結果にかかわらず、両候補の胸襟を開いての懇談の場を設けることも両選対の間で合意されたことを付け加えます。
以 上