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【争点は東電の過失の有無】

2014.1.18(土)

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上野 富男さんがToyokeizaiOnlineで記事について「いいね!」と言っています。

2014年1月18日 ToyokeizaiOnline

東京電力福島第一原子力発電所の事故による被害者を原告とする、いわゆる原発事故訴訟で、福島地裁は東電の責任の有無を明らかにする必要があるとの判断を下した。事故によって故郷を追われた避難生活者や、放射線被曝に怯える多くの県民国民にとって、東電の事故責任の有無を明らかにすることは、それぞれの暮らしや地域の産業の現状回復を図る上で重要なことであり、今後の国のエネルギー対策を考える上でも不可欠なことである。

原発事故訴訟で東電の過失の有無が争点に

東電の門前払い戦略は不発、加害責任問われる事態も

2014年01月15日 東洋経済オンライン

 東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染事故を巡る被害者救済訴訟で、東電による過失の有無が争点になることが明らかになった。

 1月14日に福島地方裁判所で開廷した民事訴訟では、担当裁判長が東電による全電源喪失の予測可能性や過失の有無について「本件訴訟の重要な争点である」と初めて明言。原子力損害賠償法(原賠法)の無過失責任原則に基づき国の基準で決まった金額を賠償すればそれでよし、としてきた東電の姿勢に、司法が疑問を投げ掛ける形になった。

全国の裁判に影響も

 現在、東電を相手取って被害救済を求める民事訴訟は全国13カ所で、約4500人の原告によって提起されている。そのうち、津波対策の不備などで重大な事故を招いた東電の過失の有無が裁判で問われることになるのは福島地裁が初めて。原告弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は、「裁判所の判断はきわめて画期的」と評価したうえで、「全国各地でのほかの被害救済訴訟にも好影響を与えるのではないか」と分析している。

 福島地裁では現在までに、政府の避難指示によって住む場所を追われた住民や、放射能汚染などで生活が脅かされている住民など1985人が国と東電を相手取って被害救済を求める裁判を起こしている。1月14日までに4度の口頭弁論期日が設けられ、農業従事者や商店主、元教員など計12人の原告が、被害の実態や生活面の窮状について明らかにしてきた。それとともに原告が強く求めてきたのが、加害者責任の追及だ。

 被害者である原告は訴状の中で、東電が文部科学省の地震調査委員会や原子力安全・保安院の勉強会などの指摘を無視して津波対策を怠り続けてきたと主張。その結果として、非常用ディーゼル発電機の浸水などによる全電源喪失から炉心溶融の事態を招いたと述べている。国に対しては、原子炉等規制法などに基づく強力な規制権限を持ちながら、その行使を怠り続けてきたと批判。「全電源喪失、炉心溶融というという重大事故が発生しうることは予見可能だった」と訴状で述べている。

 これに対して国は「規制権限を行使するかどうかの裁量が認められている事項については、第一次的には行政機関の判断が尊重されなければならない」と主張。原告が言う国家賠償法に照らして違法となるのは、「その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときに限られる」という最高裁判決を援用して、対抗しようとしている。

不都合な資料開示の可能性も

 東電も東日本大震災クラスの巨大地震や大津波は「予見できなかった」と繰り返し主張する一方、原賠法で無過失責任が規定されていることから、原告が主張する「民法上の不法行為に基づいて損害賠償を求めることはそもそもできない」と裁判所に“門前払い”を求めてきた。その場合、津波対策を怠るなどの不作為の有無や責任は一切問われないことになる。

 それだけに今回、裁判所が全電源喪失の予見可能性や過失の有無を重要な争点としたことのインパクトは大きいと言える。東電は裁判を通じて過失がなかったことを立証しなければならなくなるためだ。その際、原告側が指摘するように津波対策を怠った事実があるかどうかをめぐり、「東電側はこれまで開示を拒否し続けてきた具体的な証拠を持って反論せざるをえなくなる」と馬奈木弁護士は話す。その過程で、隠されてきた重大な資料の開示を迫られる可能性も出てきた。

 原賠法に基づいて被害者の主張を門前払いしたうえで、政府が設けた基準を踏まえて賠償さえしていればよしとする東電の姿勢は通用しなくなりつつある。

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