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yanxia2008

【グッドデザイン賞金賞の仮設住宅】

2013.1.15(火)

 2012年度グッドデザイン賞金賞を受けたログハウス仮設住宅です。  会津若松市一箕町に設置したものです。  仮設住宅が選ばれるというのも珍しいですね。

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受賞対象名     仮設住宅 [木造仮設住宅群]

事業主体名     福島県

分類        住宅・住宅設備

受賞企業      株式会社芳賀沼製作 (福島県)           株式会社ダイテック (福島県)           共力株式会社 (福島県) 株式会社グリーンライフ (福島県) 株式会社はりゅうウッドスタジオ (福島県) 日本大学工学部浦部智義研究室 (福島県) 株式会社難波和彦・界工作舎 (東京都)

受賞番号      12GA10558

受賞概要      2012年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要 ※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要        2011 年東日本大震災における福島県応急仮設住宅建設事業 2 次募集(7月)

          に際して、ログハウス仮設住宅の 建設を行ったものである。施工の簡便性、

構造材・断熱材・仕上げ材を兼ねるというログハウス工法特性を仮設 住宅に

生かすとともに、1 次募集時 (4 月 ) からの住戸の改良を行なった。 より短工

期に対応した施工の簡略化や小さく分けられがちあった部屋を 1 室空間とする

ことでより広く感じる ことができ、復興住宅への転用を想定したものとし

た。また住戸の配置計画においても複数事業者の共同の敷地で あったが、全

体の配置計画を従来の画一的なプレハブ仮設住宅とは異なったものとしてい

る。

プロデューサー   株式会社芳賀沼製作 芳賀沼養一

ディレクター    株式会社難波和彦・界工作舎 難波和彦

デザイナー     株式会社 はりゅうウッドスタジオ 芳賀沼整、滑田崇志+日本大学工学部建

築計画研究室 浦部智義

利用開始      2011年10月1日

価格        5,628,000円 (一戸30㎡タイプ 外構含む)

販売地域      日本国内向け

設置場所      福島県会津若松市一箕町大字鶴賀苅林

問い合せ先     株式会社 はりゅうウッドスタジオ Email: info@haryu.co.jp URL: http://www.haryu.jp/kasetu

受賞対象の詳細

開発・企画について サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだ

こと

木造仮設住宅は建材として木材を使い、解体後もバイオマスエネルギー等の利

用が考えられる。特にログハウス工法では、 ログ材そのものも再利用するこ

とができ、他の木造仮設住宅よりも再利用率が高いものである。また復興住宅

としての 転用が最も廃棄物がでないとも想定され、復興住宅としての活用プ

ランも提案している。

デザインについて  「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

プレバブ仮設住宅にくらべて熱橋となる部分が少なく、結露しにくい造りとな

り、カビ等が発生しにくいつくりと なっている。またログ材として内部環境

に対しても、木の雰囲気を感じることのできる造りとなっており、 直接触れ

る際にも暖かみを感じることができる。ログハウスとしての雰囲気が、仮設住

宅という避難所的なものだけ でなく、より良い環境を提供している。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

1室空間とし家具やアコーディオンカーテンの間仕切りとすることで、生活者

の要望や変化に対応しやすい造りと なっている。また通路側に縁側を設ける

ことで、仮設住宅地でのコミュニケーションを促すつくりともなっている。 ログ材の構成についても規則的なものとすることで、復興住宅やそのほかの転

用としやすいものとして想定している。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

県産材のスギと使うことで県内の林業の活性化を促すとともに、森林資源の循

環にも寄与するものである。 特にログハウス仮設住宅は他の木造仮設住宅に

くらべて 2 倍以上の木材を使用している。またログハウス工法は、 大工職に

限らない多くの人が施工に参加することができる利点もある。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

ログハウス仮設住宅の再利用率について、ログ材がそのまま使えるために他も

木造仮設住宅よりも高いことから、 仮設住宅としての使用が終わった時に廃

棄物の量が少なくて済むことが考えれられる。また配置計画や集落形成におい

ても、震災直後から長期に渡る聞き取り調査を行い、避難住民全体の、東日本

大震災の避難形式特性を読み取り、仮設集落のコミニュティ形成の一助となる

仕掛けとしている。

ユーザー・社会に  地元の木材を使うことで林業再生に貢献すると共に、地元で多くの雇用を生み

伝えたいこと    出します。仮設住宅終了後もログ材をそのまま利用できることから再利用につ

いても利点があり、復興住宅への転用が可能です。今後の震災においても事前

の木造仮設住宅への準備から、より良い仮設住宅環境となることを望みます。

どこで購入できるか、福島県会津若松市 どこで見られるか  木造仮設住宅群

審査委員の評価

当然、あってもよい、あるべき仮設住宅である。木造の外観もインテリアも、工業的な素材で建築されたプレファブ仮設住宅と比較して、多くの人に「家」を感じさせるだろう。しかし、それだけでなく、地元の材料が使用されることにより地産地消が実現されており、なにより地元の大工による施工が可能である点が重要である。また、ログハウスとすることで、材料の再利用の可能性を高くし、構法の簡略化がはかられている点も評価できる。さらに、通路側に縁側、木デッキなど住戸と外部の境界も柔らかくヒューマンコンタクトな空間が仕掛けてられており、仮設住宅群の殺伐さを払拭している。

担当審査委員| 難波 和彦 安積 朋子 篠原 聡子 安田 幸一

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